2026年05月30日
【災害レッドゾーン】
2026年度(令和8年度)の税制改正大綱により、2028年(令和10年)以降、災害リスクが極めて高い特定の区域(いわゆる「災害レッドゾーン」)に建てられた新築住宅は、住宅ローン控除の適用対象から完全に除外されることが決定しました。
これまで「建物の性能」が主な要件だった住宅ローン控除に、ついに「立地の安全性」という基準が加わることになります。
ここでは、今回の法改正について紹介します。
なぜ「立地」によって控除が受けられなくなるのか?
今回の改正の背景には、近年の頻発する自然災害があります。国は「立地適正化計画」と歩調を合わせ、命の危険がある区域への居住誘導を抑制し、安全なエリアでの住まいづくりを促すという方針を打ち出しました。
これにより、将来的な人的・経済的な被害や、救助・復旧にかかる公的コストを抑える狙いがあります。
対象となる「災害レッドゾーン」とは?
今回の改正で住宅ローン控除の対象外となるのは、主に以下の法律に基づき指定された区域です。
・ 土砂災害特別警戒区域(いわゆるレッドゾーン):がけ崩れ等により建物が損壊し、生命に著しい危害が生じる恐れがある場所。
・ 急傾斜地崩壊危険区域:がけ崩れのリスクが高く、一定の行為制限が必要なエリア。
・ 地すべり防止区域:地すべりが発生している、または発生の恐れが極めて高いエリア。
・ 浸水被害防止区域:洪水や雨水により建物が損壊し、生命に大きな危害が生じる可能性がある場所。
・ 災害危険区域:建築基準法に基づき、自治体が津波や出水などによる危険が著しいとして指定する区域。
なお、ハザードマップで黄色く塗られる「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」などは、原則として今回の規制の対象外であり、引き続き控除を受けることができます。
令和10年(2028年)以降の住宅ローン控除の変更
2026年度の税制改正により、これらのレッドゾーン内に立地する住宅の扱いが劇的に変わります。
新築住宅は対象外: 2028年1月以降に入居する新築住宅が災害レッドゾーン内にある場合、住宅ローン控除を一切受けることができなくなります。これは安全な地域への居住誘導を促すための政策的措置です。
建て替え・中古は対象内: すでにその場所に住んでいる方の「建て替え」や、「中古住宅(既存住宅)の取得」、「リフォーム」については、居住継続や既存ストック活用の観点から、引き続き控除の対象となります。
崖地の多い町田市・横浜市・鎌倉市などのエリアでは、土砂災害特別警戒区域や急傾斜地崩壊危険区域といった災害レッドゾーンが各所に存在しています。これらの指定は一度行われれば固定されるものではなく、自治体や県による定期的な見直しが実施されています。そのため、これらの地域で土地の売買をする際には、現時点での指定の有無を確認するにとどまらず、将来における指定の可能性まで視野に入れた調査が求められます。


