2025年06月08日
【行政書士法の一部改正】
行政書士法の一部が改正され令和8年1月1日より運用が開始されます。主な改正点は次の5つになります。
@「行政書士の使命」が明文化された
A「職責」が新設された
B 特定行政書士の業務範囲が拡大された
C 無資格者による業務の制限を明確化
D 両罰規定の整備
私のように数ある行政手続きの中でも、「土地関係の許認可」という狭い範囲の業務しか行わない行政書士にとってはあまり影響がない改正と言えます。
しかし、C無資格者による業務の制限を明確化 の規定が厳格に運用されると、役所が行政書士免許の提示を求めないことをいいことに、無資格で許認可申請をしてきた人にとっては、かなり影響のある改正内容になります。
これまでは役所の窓口に、「法律で定めのある場合を除き行政書士でない者が、官公署に提出する書類の作成を業務として行うことは、法律で禁じられています。」という内容の行政書士法遵守プレートの設置がなされているだけで、許認可申請の際に行政書士免許の提示を求められることはほとんどありませんでした。
しかし、今回の改正を契機として許認可申請の際に、役所が行政書士免許の提示を求めてきた場合、これまで非行行為を行ってきた土地家屋調査士にとっては影響は大きいと思います。具体的には、農地法、開発許可、盛土規制法、道路位置指定、公有地の払下げ、風致地区条例、道路自費工事などの許認可取得申請の際に、行政書士免許の提示が求められた場合です。
どこまで厳格に運用するかは役所次第ですが、今回の改正により、行政書士資格取得の必要性を感じた方は、土地家屋調査士と行政書士の兼業を検討してみるのもいいかもしれません。
ちなみに行政書士試験は、例年11月の第2日曜日実施されており、試験の申込みも7月下旬からなので、本年度の試験にはまだ間に合います。
なお、非行行為を行った者に対しての罰則規定が新設された関係で、これまでのように無資格で行政書士業務を行うことはリスクを伴うので注意が必要です。
改正行政書士法 第19条(業務の制限)
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第1条の3に規定する業務を行うことができない。
改正行政書士法 第21条の2
第19条第1項の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。